普段何気なく使っている箸。
江戸木箸はその「箸」を「命を運ぶ道具」として徹底的にこだわり、どのような方の手にもピッタリ使いやすいよう、さまざまな形状を製作しています。
5角、7角、8角などの断面の箸は「どうして丸や四角の箸ばかりなんだろう」という疑問から生まれました。その製作法はまさしく「神業」といえるもので、竹田氏は定規や治具などを一切使わず目と体で覚えた感覚のみで材料を箸の形状に削りだしていきます。
その中でも利休箸は中心付近に少しだけふくらみがあり、多角形が上から先まで維持されつつ、曲線が繊細でとても上品です。両端が細く中央が太く平らになっている両口箸は、片方は、神様がお使いになり、もう片方は人間が使うという意味があります。細身のため、喰い先の微妙な感触が口の中に伝わりやすく、懐石料理・刺身など目で楽しむ食材や麺類も滑らず簡単につかむことができます。
縞黒檀や鉄木という硬く、加工しにくい材料を使って製作するのは細く強い箸先を作る為で、口に食材を運んだときの繊細な感覚は誰もがきっと驚いてしまうはずです。
◇ サイズ 約 25.0 (cm)
◇ 形状 7角
◇ 材質 縞黒檀
◇ 拭き漆仕上げ